ムラサキウニ陸上養殖方法の検討(その2)
元気にウニ畜養継続中!!ムラサキウニの完全陸上畜養方法の検討と第2回試食会
神奈川県横須賀市の長井町漁業協同組合が磯焼け対策として沿岸域で駆除しているムラサキウニを使用し、2023年5月から陸上での畜養の検討を開始しました。以前にも本ブログでウニ畜養や試食会の様子を掲載させていただきました。その後もウニの畜養検討について、以下の取り組みを継続してきました。
- ・畜養場所の移設
- ・畜養設備の更新、畜養数の見直し
- ・餌の選定、自作餌の検討
以前は当社本社地下の1室に水槽を設置し畜養しておりましたが、畜養個体数を増やすことを目的に、第1回目の試食会後、横須賀市三春町に作業場を借り(三春分室)、ウニの畜養設備を移設しました。
三春分室での畜養の様子
三春分室に場所を移してから、畜養設備の更新を行い、例えば従来のろ過システムに加えて、水槽内の糞や食べかすが溜まらないよう流路や水流の調整、殺菌灯やプロテインスキマーを試すなど、閉鎖式循環で重要な水質の維持について、検討を重ねています。また、スペースを拡大したことで、現状では畜養の水槽を6台併設し、最大で300個体が飼育できる環境としています(現在さらに4台を増設中)。
餌については、以前の試食会でブロッコリーの葉とキャベツで育てたウニを試食していただき、その結果では味や入手のしやすさからキャベツを採用することになりました。また、別の餌にもチャレンジしており、横須賀市深浦産のワカメや横須賀ビール製造時の麦芽搾り粕を混合した自作餌を検討しました。深浦漁港は、弊社本社のご近所で観測機器のテストなどでもお世話になっており、毎年冬に養殖しているワカメの乾燥したものを試してみることにしました。もう一つの麦芽搾り粕については、試食会でお世話になっている飲食店経営者の方からご提供いただきました。麦芽搾り粕を含む食品製造副産物を利用した飼料の開発は畜産や水産養殖など様々な分野で取り組まれており、ウニの飼料としても活用できないか検討しました。
今回、7月の試食会に向けて、4月より3種類の餌(乾燥ワカメ、キャベツ、自作餌)でそれぞれ100個体ずつ畜養試験を実施しました。畜養開始時の身入(可食部/殻全体の重量×100)は10%パーセント以下なのですが、8週間を経過するとどの餌でも身入は10%を超え、12週間後には14%前後となり、餌の違いによる身入に大きな差は見られませんでした。これら3種類の餌を与えたウニを試食会に持ち込み、また、市販の殻付き生ウニ(女川産:キタムラサキウニ)を比較対象として、それぞれ評価いただくこととなりました。
試食会前の餌ごとにウニの可食部を分ける準備の様子
2026年7月22日に横須賀市で地元の飲食店経営者の方などの皆様にお集まりいただき、試食をしていただきました。今回の参加者には前回参加された方もいらっしゃり、ウニ畜養を担当した社員は前回と比べてどのようは評価を頂けるかとても緊張した様子でした。まるで、どこかのTV番組で放送されている通りの状況でした。
横須賀市の飲食店関係者による試食の様子
試食会では、見た目や食味などを参加者土同士や弊社担当とお話しされながら和気藹々とした雰囲気の中、評価していただきました。試食後のアンケートでお答えいただいた参加者の生の声の一部を今回も紹介させていただきます。
「前回よりもコクが増して美味しくなっています」
「市販のものよりどれも美味しいと思いました」
「前回より美味しく感じた」「自作餌については肉と合うと思います」
「どれも甘味を感じ、臭みは感じませんでした」
「より味を濃く感じたのは自作餌→ワカメ→キャベツの順でした」
「イタリアンやフレンチの食材として良品である」
試食していただいたウニ3種と市販品1種
今回も全体的に高評価のコメントが多く、さらに前回よりも美味しくなっているという担当者が喜ぶコメントを頂けました。特に市販品と遜色ないとのコメントも得られたことはこれまで準備してきた畜養技術が良い方向に進んでいることをしっかり評価いただけたと捉え、担当者の自信につながっています。
今後は、試食会で用いたウニの味覚分析などの結果も確認し、さらにムラサキウニの畜養方法の検討・実験を進め、最終的な出荷・販売に向けた取り組みを続けていきます。
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