2022.03.22

田子の浦漁業協同組合のワカメ養殖施設での水中タイムラプスカメラ観察

 近年、藻場の食害が広がる磯焼けが日本各地で発生しています。食害は藻場だけではなく養殖しているワカメにも及びます。
 静岡県の田子の浦漁業協同組合では、近年ワカメ養殖を試みているのですが、やはり食害が見られることから、当社の水中用タイムラプスカメラを用いた食害観察を2020年度から青壮年部のみなさんと一緒に始めました。今年度で2回目となる撮影では、昨年度の反省を踏まえ、施設設置当初から撮影開始できるよう準備しました(昨年度は撮影が遅れてしまい、すでに食害後の状況でした)。

ワカメ養殖の準備をする青壮年部の皆様

田子の浦漁協から見る富士山

 今年度は12月18日の養殖施設設置にあわせ水中用タイムラプスカメラを持ち込んだのですが、天気は良かったにもかかわらず、冬型の気圧配置で風が強まり、養殖施設設置やカメラ取り付けを断念することになりました。

準備した水中タイムラプスカメラ

 準備した水中用タイムラプスカメラを青壮年部のみなさんに託しその日は帰宅することになったのですが、翌週の12月22日に無事に施設設置やカメラ取り付けの連絡を頂きまして、同日から撮影を開始することができました。

設置されたカメラの様子

設置翌日の画像

 ワカメ養殖を開始した22日当日の15時頃から魚影が写り始め始め、翌日の23日にはメジナと思われる魚が10尾以上集まっているシーンも撮影されました。あまりの魚の多さに驚きです。これではワカメの差し芽も全滅してしまいます。

12月23日 ワカメに集まるメジナと思われる魚群

 翌24日も多くの魚が集まっており、徐々にワカメが啄まれ、食害が進行する様子が見られました。1月に入ると明らかにワカメがなくなっているのが分かります。

12月24日 次々にワカメが食べられている様子

1月4日 残ったわずかなワカメも食べられています

1月7日の画像 少し成長した部分があるとまた食べられます

 今年度は撮影期間中にアオリイカが登場しました。養殖施設に集まる魚たちを追っているのかもしれません。12月25日は朝8時から12時前までの4時間にわたって撮影されていました(同じ個体ではないのかもしれませんが)。これまで他の漁協のワカメ養殖施設での撮影でアオリイカが登場したことはなく、新たな気づきとなりました。

12月25日 約4時間にわたって出現したアオリイカ

 今年度は海況が悪い日が多く、カメラの亡失の可能性があったため、撮影は1月8日で終了としました。1月7日の写真を見ていただくとお分かりなると思いますが、養殖しているはずのワカメがほとんど育っておらず、これではワカメの収穫を期待できません。このような状況が日本各地のワカメ養殖の現場で発生しています。当社では食害に有効な手段をまだ持ちえておりませんが、漁業者の皆様と一緒に対策にも取り組んでいきたいと思います。
 ワカメ養殖とは話は変わりますが、田子の浦漁業協同組合はしらす漁で有名です。例年3月下旬から12月末まで漁協食堂では各種しらす丼が販売されています。田子の浦近辺にお出かけの際には、ぜひ漁協食堂にお立ち寄りください。

漁協食堂のしらす丼(写真は生シラスと釜揚げシラスのハーフ丼

 田子の浦漁業協同組合ホームページ
 https://tagonoura-gyokyo.jp/

 田子の浦漁協青壮年部Twitter
 @tagono_Shirasu