2024.11.25
マルチビーム音響測深装置を用いた駿河湾調査
海と地球の科学技術コンサルタント
2024.11.01
2024年6月から7月にかけて、海底資源量調査を目的とする航海に乗船するため、ハワイ(ホノルル)を訪れました。当社職員はクック諸島の調査船「Anuanua Moana」に乗船し、主にボックスコアラ-によって採取された堆積物試料の処理とボックスコアラ-に取り付けるレーザースケーラー(カメラで水中や海底を撮影する際、スケールとしてレーザー光を照射する装置)の取り付け及び整備を担当しました。
乗船前に訪れたワイキキビーチ
今回の調査では、ハワイに到着後すぐに乗船せず、まずは調査で必要な物品を揃えるため、ホームセンターへ行きました。ハワイのホームセンターは想像していたよりもはるかに広く、必要品を探すのにかなり苦労しました。ホームセンターの帰り道、ハワイの空に虹が架かっていました。偶然にも今回我々が乗船する調査船の名前は「Anuanua Moana(ポリネシア語で「虹の海」)」であり、名前が「虹」の調査船への乗船前に、虹を見られたのは素晴らしい調査成果が期待できそうだなと感じました。
ハワイの空に架かった虹
今回の調査航海で乗船したクック諸島の調査船「Anuanua Moana」
いよいよ一ヵ月弱に及ぶ航海が始まりました。船には我々調査団以外に日本人はいない多国籍な環境でしたが、とてもフレンドリーな方々が多く初対面にも関わらず、すぐに打ち解けることができました。乗船して最初に海外の技術者の元、調査手順について入念にレクチャーを受けました。今回の調査は当社にとって初業務であり、対象海域の海底資源量を調べる重要な調査であるため、レクチャーは調査団全員が共通認識を持つ非常に良い機会となりました。また、ボックスコアラ-に取り付けるためのレーザースケーラー(当社製)の調整も入念に行いました。
船上でレクチャーを受ける様子
レーザースケーラー(当社製)を調整する様子
調査が始まると我々は揚収されたボックスコアラ-から堆積物試料を採取し、岩相記載などを行いました。堆積物試料の記載では、初めて導入する測色計(試料の色を計測し数値として計測する装置)の検証実験なども行いました。
ボックスコアラ-の帰還を心待ちにする調査団メンバー
堆積物試料記載の様子
揚収されたボックスコアラ-
乗船中は、ずっと調査を行っているわけではありません。休憩時間や調査の合間にはダーツなどをして調査団のメンバーや船のクルーたちと親交を深めました。また、船ではおやつが用意されていて焼き立てのパンは絶品でした。
休憩時間に行ったダーツ
船で提供された焼き立てのパン
調査が行われた海域は、近くに陸地の無い海のど真ん中。こんな珍しいお客さんもやって来てくれました。アカオネッタイチョウのトムさん(ちなみにトムさんは甲板長の名前です。勝手に命名)!しっかりカメラ目線で写真を撮らせてもらいました。
アカオネッタイチョウのトムさん
無事に調査も終わり後部甲板でバーベキューを行いました。海のど真ん中でバーベキューが体験できるのもこの仕事の醍醐味とも言えます。
後部甲板でのバーベキュー
無事調査の全工程を終了しハワイから日本へ帰国しました。少し名残惜しくなるくらい素晴らしいメンバーと共に仕事ができました。今回の調査では様々な課題も見つかりましたが、とても実りある一か月間でした。余韻に浸りつつ次の乗船に備えていきたいと思います。