2025.09.07
水温計設置と生物付着のお話し
海と地球の科学技術コンサルタント
2025.09.07
先頃、このブログで度々ご紹介させていただいている横須賀市リサイクルプラザ「アイクル」横の造成浅場にて、空中ドローンを用いた空撮を行ってきました。目的は藻場の拡大状況の確認です。それと同時に、5月より浅場内に設置していた水温計のデータ回収および再設置も実施してきました。
アイクル横の造成浅場を離陸するドローン
水温計は大潮時においても海面の上に顔を出さない場所に設置し、少し離れた場所からでも設置場所が確認できるようにロープ介して小さな浮標を取り付けています。
水温計設置様式の模式図(左)と海面に浮かぶ浮標(右)
このロープ、多少の波ではビクともしないのですが、ある日突然切れたり傷ついたりすることがあります。こういった場合、ロープあるいはロープが結ばれている先(この場合は杭)への生物付着が原因となっているケースが多々見られます。特にフジツボなどの硬い殻を持った固着生物は大敵で、殻とロープ擦れるとロープがダメージを負うことになってしまいます。今回ご紹介した温度計については、胴付長靴着用して直ぐにアクセスできる場所に設置してあることから、対策としては人力でまめにメンテナンスすることに尽きます。
杭の表面には径5mm程度の多数のフジツボが、、、
メンテナンスは大変です
海中に何かを設置・係留する場合、浅場であろうが陸から遠く離れた遠洋域であろうが、一般的には生物付着を避けることは非常に難しいのですが、設置・係留する物によっては特殊な塗料や機械的な機構などによって付着量を軽減することも場合によっては可能です。目的や費用などに応じて検討しますので、何かあればご相談ください。取得した海水温データのお話しは、別の機会にさせていただきます。