2024.11.25
マルチビーム音響測深装置を用いた駿河湾調査
海と地球の科学技術コンサルタント
2023.05.10
2022年6月に神奈川県立海洋科学高等学校(以後、海洋科学高校)によるアマモ植栽実験がおこなわれました。実験が実施された小田和湾の佐島はアマモが繁茂した海域でしたが、2010年代に入って急速にその生育海域は減少し、今ではほとんど見られなくなりました。そこで、海洋科学高校では小田和湾に生息していたアマモ株を育て、アマモ場再生のための取り組みを継続していました。海洋科学高校の活動詳細については高校ホームページ(https://www.pen-kanagawa.ed.jp/kaiyokagaku-h/)を参照ください。
海洋科学高校ではこれまでもアマモ植栽実験を実施してきましたが、アマモを植えた2週間後には原因不明で消失してしまっていたとのこと。そこで、当社が水中用タイムラプスカメラを用いてアマモ植栽後の生育状況をモニタリングすることにご協力しました。2022年6月18日のブログでも植栽と画像撮影の様子を掲載しております。
アマモ植栽は6月18日に実施され、約2週間後の7月1日に現地を確認したところ、数十cmあったアマモは10cm足らずに短くなっていました。設置していた水中用タイムラプスカメラのデータを確認したところアマモが短くなった原因が判明するとともに、アマモ植栽後の経過が明らかになりました。
アマモ植栽翌日の6月19日はコウイカと思われるイカがアマモに産卵していました。これは全くの予想外、アマモが産卵場としてもとても重要であることが分かりました。その翌日20日からアイゴの魚影が確認されるようになり、21日の早朝からアイゴの猛攻に遭い、夕方には10cmほどになるまで食害を受けていました。
図1 早朝の食害前(左)と同日夕方の食害後(右)の植栽アマモの様子
その後もアイゴが食害を続け、撮影を終了する7月14日にはわずかばかりの葉を残すまで消失してしまいました。当社のTwitter(@MWJ_jp)に今回のタイムラプスカメラ画像のダイジェスト動画として公開しております。ご覧ください。
https://twitter.com/MWJ_jp
海洋科学高校の生徒さんたちは、今回の植栽実験の内容も含めて「全国アマモサミット2022 inたてやま 海辺の自然再生・高校生サミット」において、「藻場再生に向けた取り組み」と題して発表されました。
図2 「全国アマモサミット2022 inたてやま」での海洋科学高校の発表の様子
(海洋科学高校提供)
発表はYouTubeにて公開されています(https://amamosummit2022tateyama.com/youtube/)。
海洋科学高校の発表動画はこちらです。また、以下の発表ポスター(海洋科学高校提供)もご覧ください。
・藻場再生に向けた取り組み(海洋科学高校提供)
弊社では今後も海洋科学高校のアマモ植栽を応援していきます。2023年度も植栽活動が実施されており、結果が楽しみです。
水中用タイムラプスカメラはデモ機の貸出も可能です。ぜひご相談ください。