「海を知る」「地球を知る」ブログ

海と地球の科学技術コンサルタント

2022.08.23

深海生物キャリー水槽の製作

 当社では、主に水族館様向けに「深海生物キャリー水槽」を製作販売しております。本水槽の最大の特徴は、水槽内に入れた生体に対して、水深70m程度までの水圧を任意に選択してかけることが可能な点です。例えば、海での生体採取から水族館までの輸送の間に水圧をコントロールすることで、生体の大気圧への圧力順応を促すことが可能です。本製品は、小型船舶上での生体採取にご使用いただけるようデザインしており、大人1名が持ち運べる重さ(満水時9kg)とサイズです。加圧のための電源や追加機材は必要ありません。「深海生物キャリー水槽」については、「事例紹介」に使用例を記載しており、「製品カタログ」にはパンフレットを掲載しておりますので、ご覧ください。
今回、本製品を下関市立しものせき水族館「海響館」殿にご購入いただき、8月23日に納品させていただきました。

下関市立しものせき水族館「海響館」のHP
https://www.kaikyokan.com/

下関市立しものせき水族館「海響館」

(右)深海生物キャリー水槽 (左)深度計部

本水槽内に水を入れて、加圧試験をする様子

 使用方法の説明や注意事項をお伝えした後、本水槽内に実際に水を入れて加圧試験をしていただきました。水槽内を満水にし、上部蓋をきっちり閉めた後に金属製のノブを回すと、徐々に加圧できます。納品に対応いただいた魚類展示の担当の方は、比較的簡単に加圧できたことに驚かれていたようで、今後、釣りなどでの生体採取時にご使用いただけるとのことでした。本水槽をご使用いただくことで、少しでも水族館での生体展示に貢献できましたら幸いです。